知的障害者の就労を支援する海南市野上新のおかし工房桜和(さわ)が作る「紀州五色(ごしき)バウム」が12月、神戸市で開かれたスウィーツ甲子園関西大会でグランプリを受賞した。3度目の挑戦で初めてつかんだ栄冠で、拔井(ぬくい)友希主任は「和歌山の素材が詰まった菓子。利用者ががんばって作る商品が認められた」と喜ぶ。
2006年設立の桜和は、知的障害者が菓子作りを通じて社会のルールを学び、一般就労を目指す施設。現在は自閉症やダウン症などの障害を抱える13人が利用する。
スウィーツ甲子園は、障害者が働く事業所が作る菓子のコンテストで、製品のレベルアップと販路開拓、障害者の賃金増を目的に、09年から行われている。
紀州五色バウムは梅のエキスを混ぜたえさで育った鶏の紀州うめたまごを生地に使用。みかんの花のはちみつ、紀州備長炭、色川緑茶、有田みかん、ショコラ山椒の5種類の味を1箱にした。
スウィーツ甲子園には関西圏を中心に8府県の8事業所が参加。徳島の鳴門金時と和栗のタルトや、京都のほうじ茶を使ったドイツの伝統菓子などがそろう中、地元へのこだわりと女性でも食べやすい大きさが評価され、専門家の審査と一般投票でグランプリを獲得した。
拔井主任は「次は梅味を開発したい。和歌山の土産として全国に広め、利用者の賃金アップにつなげていければ」と望む。 1296円。桜和のほか、JR海南駅のかいぶつくん、根来寺駐車場の売店で販売。桜和(073・485・2890)。
写真=和歌山にちなんだ5つの味をセット
(ニュース和歌山2016年1月16日号掲載)