1月10日にスタートしたNHK大河ドラマ「真田丸」。主役の真田信繁(幸村)は戦国時代から江戸時代にかけて活躍した信州(長野県)出身の武将で、関ヶ原の戦いでは石田三成側についた。その後は高野山のふもと、九度山で14年間謹慎生活を送り、大坂の陣で徳川家康を苦しめた。幸村ゆかりの和歌山では、和歌山市民図書館が設けた特設コーナーが人気上々。海南市の印刷会社、協和はスマートフォン用のケースを開発した。

 

和歌山市民図書館 特設コーナーが好評

16013089_sanada 和歌山市湊本町の市民図書館で幸村に関連する書籍を集めた特設コーナー「戦国武将 真田幸村の生きた軌跡」。司書の樋尻敦子さんは「初回放送日の翌日が特に多く借りられ、ここまで反響があるとは驚きました。返却されて棚に戻してもすぐまた貸し出し中になります」と話している。

 コーナーは2015年11月、カウンター前に設置した。池波正太郎の長編小説『真田太平記』をはじめ、幸村や戦国武将を題材にした歴史小説や伝記、ゆかりの地を紹介したガイド本など200冊が並ぶ。放送開始後に借りる人が増え、第3回の放送を終えた1月25日現在、130冊が貸し出し中だ。

 スタッフが手作りした真田氏の家紋「六文銭」の飾りや折り紙のかぶと、幸村の足取りを紹介した巻物風のポップをあしらいアピールする。樋尻さんは「本を通じてあらかじめ歴史を知っていれば、ドラマも一層楽しめるのでは」とにっこり。

 200冊のタイトルや貸し出し状況は図書館のHPで確認できる。5月31日(火)まで。また、同市西高松の県立図書館も2月11日(木)まで100冊を展示している。

写真=幸村の足跡を解説した地図も添えている

 

印刷会社 協和 職人の技結集しスマホ袋

16013089_case 幸村をイメージしたスマートフォン専用ケース「すまほぶくろ・不惜身命(ふしゃくしんみょう)パッケージ」を開発したのは海南市南赤坂の印刷会社、協和だ。レザー職人や紀州漆器の木地職人ら県内の職人が手作業で生み出した。デザインマーケティング部の渡部直樹部長は「県特産の上質なきのくにレザーを素材に、職人の技を結集させた逸品。和歌山の技術力の高さを世界へ発信したい」と笑顔を見せる。

 地域活性化を考えていた渡部さんは、NHK大河ドラマ「真田丸」放送の1年前にスマホケースを構想。幸村にかかわる書籍や文献を研究し、原形をデザインした。

 スマホ袋は幸村のイメージカラーに合わせ、レザー職人が朱色に染め上げた牛革スエードに家紋の六文銭を型押しした。真田家が九度山で過ごした時に作った正絹(しょうけん)の真田ひもが付いており、ズボンのベルトひもや、かばんの持ち手に吊り下げられる。

 スマホ袋を入れる桐箱は木工職人が手がけ、中には一級畳製作技能士が和紙で織ったミニチュアの畳を敷くなど細部にまでこだわった。さらに、江戸時代に使われた寛永通宝を全国から約4000個集め、ひのきの間伐材に6枚ずつ埋め込んだプレートを添えた。

 666個限定で、シリアルナンバー入り。000番は仙台真田家の13代当主、真田徹さんに贈った。渡部さんは「どの職人も品質へのこだわりが強く、和歌山でしか作れないスマホ袋ができた。自信を持って幸村ファンに届けます」と胸を張る。

 2万7000円。縦18・0㌢、横10・5㌢。4月からの販売で、協和(073・482・5558)やHP(https://www.makuake.com/project/sumahobukuro/)で予約を受付中。

 写真=スマホ袋を手にする渡部さん

(ニュース和歌山2016年1月30日号掲載)