真田幸村に仕えたと伝わる10人の家臣を描いた映画『真田十勇士』の一部ロケが1月24日から2月上旬、和歌山市で行われた。加太で映画のクライマックスとなる大坂夏の陣、和歌山城では徳川家康が登場するシーンを撮影した。県民ら延べ約1500人のエキストラも協力した。
『真田十勇士』は、戦国時代末期の十勇士の活躍を壮大に描くスペクタクル時代劇。監督は『劇場版SPEC』『20世紀少年』などを手がけた堤幸彦さんが務め、主人公の猿飛佐助を歌舞伎俳優の中村勘九郎、霧隠才蔵を俳優の松坂桃李、ヒロインの火垂(ほたる)を元AKB48で女優の大島優子が演じる。
同市観光課と県観光連盟が誘致した作品で、市が昨年7月に始めたロケ誘致支援補助金の対象作第1号。映り込む建物が少ない開けた場所で、山が青々としており、夏設定の撮影に適したことから、加太が選ばれた。
26日には中村や松坂ら俳優陣とともに、甲ちゅうを着たエキストラ約300人で合戦シーンを撮影。尾花正啓市長がかけつけ、堤監督と製作の苦労話や同市の歴史、産業について言葉を交わした。尾花市長は「監督と俳優陣が素晴らしく、迫力があった。軍をまとめた幸村の人物像にせまる意味でも、どんな映画になるか期待している」と話していた。
エキストラで徳川軍の武将役を務めた和歌山市の中野正太さんは「早朝から日暮れまでの撮影で寒さとの戦いでしたが、鎧(よろい)や兜(かぶと)を着れる貴重な体験ができた」と喜んでいた。
映画は9月に全国公開される。
写真上=加太で行われた大坂夏の陣の撮影。同下=撮影現場にかけつけた尾花市長(左)と堤監督
(ニュース和歌山2016年2月6日号掲載)