認知症や障害で判断能力が十分でない人に代わり、財産の管理、介護施設との契約などを年金や社会保険の専門家、社会保険労務士が行うための拠点「社労士成年後見センターわかやま」(和歌山市北出島)が4月1日、始動した。県社労士会の会員有志15人が立ち上げた。篠宏明代表は「本人が快適に安心して暮らせるよう、サポートしていきたい」と話している。

 知的、精神障害や認知症の人らを悪徳商法や不利益な契約の被害から守ろうと、2000年に施行された成年後見制度。本人や親族らの申し立てにより、家庭裁判所で選ばれた親族や法律の専門家らが代理人となって、財産、不動産の管理、介護サービスの契約を行っている。

 同センターは、独居老人の増加に伴い「社会貢献になれば」と12年から社労士向けの研修を開き、準備を進めてきた。家賃や光熱費の支払い、医療、介護にかかわる手続きなどを、社労士個人でなく、センターが法人として支援していく。

 篠代表は「まだまだ認知度が低い成年後見制度を知ってもらい、気軽に利用してほしい。成年後見とまではいかなくても、認知症の親の年金や介護保険の受給確認など、困ったことがあれば尋ねて」と呼びかけている。

 有料。同センター(073・425・6584)。

(ニュース和歌山2016年4月2日号掲載)