「絶滅危惧(きぐ)種オグマサナエを探せ!」と題した自然教室が4月16日(土)午後2時、海南市大野中のわんぱく公園で開かれる。オグマサナエは絶滅が心配される県内の動植物をまとめた「県レッドデータブック」に掲載されているトンボの仲間。企画した同公園の有本智園長は「〝絶滅危惧種〟と聞くと、どこか遠いところの話だと思う人が多いかもしれませんが、皆さんが住んでいるすぐ近くにそんな生き物がいることを知ってもらう機会になれば」と願う。
オグマサナエは長野~九州地方に分布し、県内では和歌山市や海南市、岩出市など紀北地方で見られる。県のレッドデータでは、2001年発表分には掲載されていなかったが、改訂された12年分で準絶滅危惧に。ヤゴが育つため池に汚水が流れ込んだり、ため池が放置されたりしたことなどが減っている理由と考えられる。なお、国のレッドデータでも準絶滅危惧となっている。
有本園長によると、海南市では同公園が隣接する大池のほか、亀池、温山荘園内の池などにいる。飛んでいる姿が多く見られるのは4月中旬~5月。体長は5㌢程度で、「オニヤンマを縮小コピーしたような形のトンボです」。オニヤンマやシオカラトンボは右と左の複眼が引っ付いているが、オグマサナエは離れているのが特徴。教室では成虫を観察しながら、同じサナエトンボ科で準絶滅危惧になっているフタスジサナエとの見分け方などを解説する。
300円。希望者は同公園(073・484・5810)。定員20人。なお、スミレの観察会を4月9日(土)午後2時から実施する。
(ニュース和歌山2016年4月2日号掲載)