綿の栽培から糸つむぎ、染め、織りの体験を通じて高齢者の生きがいづくりに取り組む市民団体「グリーンライフシニアわかやま」は和歌山市栄谷に開設した「紀の国手織り庵」で、一般向けの体験教室を先月始めた。山田俊治代表は「地域と連携し、だれでも気軽に寄れる居場所に育てていきたい」と意気込む。

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 高齢者を地域で支え、世代間交流の場をつくろうと2012年に発足し、現在は50~70代の30人が所属する。紀伊地区の農園で和綿を栽培し、和歌山市と海南市、紀美野町の公民館に会員が出向いて、糸つむぎや織りの体験会を開く。

 手織り庵は、常設の場所を設けようと築80年の古民家にオープン。月8日開放し、会員が手織りや草木染めを指導する(写真)。さをり織り機や糸車など道具をそろえ、種と綿を分離する綿繰り台に通した後、ほぐして柔らかくする綿打ち、糸状にするため糸車でこよりをかけ、糸から布を織る作業もできる。

 織りを指導する萩原星子さんは「和綿は繊維が太く短いので、吸湿性に優れて温かい。昔ながらの手作業をする中で、そういった良さを伝えられれば」とほほ笑む。

 遠方の人や孫世代の参加も歓迎で、山田代表は「決まった日に通う必要はなく、お茶を飲んでおしゃべりしたり、作業したりと自由。オープン日以外も地域の人にこの場所を活用してもらえるといいですね。参加者の作品を展示販売できれば、一層やりがいにつながるはず」と描く。

 4月9日(土)、15日(金)、18日(月)、23日(土)午前10時~午後4時は手織り体験、14日(木)と28日(木)は午後1時~4時で、組ひもと手織り。100円。グリーンライフシニアわかやま(073・474・2248)。

(ニュース和歌山2016年4月9日号掲載)