南海トラフ大地震による津波来襲時の予想浸水域が表示された地図に、安全区域まで逃げる時間を色分けして落とし込んだ「逃げ地図」を日本建築家協会和歌山地域会が作成した。島桐子会長は「地図をただ貼っておくだけでなく、これを参考に、自分たちはどう逃げるのかを考えてほしい」と呼びかけている。
県作成の予想浸水域を元に、学校や公園、ビルなどの避難場所や、浸水の境界線と道路が交わるところを避難ポイントとして掲載。その上で、健康なお年寄りだと1分間に43㍍歩けるとの想定の下、3分ごとに緑、薄緑、黄など8段階に色分けし、避難場所までの所要時間が一目で分かるようにした。
会員が安全区域までの距離を算出したため、島会長は「住んでいる人自身が、『この階段は通れない』『あそこに抜け道がある』『足の悪いお年寄りが1人で暮らす家』というように、地域の人ならではの情報を書き込むことが大切です」と強調する。
県内沿岸部の地域別に作成した50種類を各自治体に提供する。今後は小学校区や自治会単位でのワークショップを通して、地元密着の地図づくりにつなげる意向だ。
なお、21日(木)午後3時55分から、和歌山市卜半町の県建築士会館で「デザイントーク+逃げ地図発表会」を開く。500円。同地域会(073・432・1558)。
写真=「それぞれの地域で活用して」と島会長
(ニュース和歌山2016年4月16日号掲載)