和歌山県聴覚障害者協会は4月1日、手話でコミュニケーションがとれる就労支援事業所「手の郷」をぶらくり丁に開所した。福田美枝子会長は「通常の作業所は手話や通訳できる職員がほとんどおらず、会話にストレスを感じていた利用者には『働くことが楽しい』と喜ばれています」と話す。
手の郷は聴覚障害者と重複障害者対象で、手話を基本とした事業所としては県内唯一。呉服店跡を車いすの人でも使えるよう改装した。
民間2社から仕事を請け負い、包装箱づくりや業務用エアコンのパーツを調整する軽作業を行う。定員は20人で、20~60代の3人が他の作業所から移って働き始めた。開所日は和歌山市の手話サークルのメンバーがサポートに当たる。
同協会は昨年末、県内初の聴覚障害者専用デイサービスセンター「紀州の手」を中ぶらくり丁にオープンしたばかり。今年2月以降、ぶらくり丁の商店主を招いた手話教室を開いており、福田会長は「まちなかに手話にふれられる場所をつくり、手話は言語であることを市民に理解してもらえるよう発信したい」と望んでいる。
手の郷(FAX073・488・7829、電話同488・7828)。
写真=事業所内では手話でコミュニケーション
(ニュース和歌山2016年4月13日号掲載)