和歌山市梅原のイラストレーター、中畑康代さん(56)がポスターのコンクール「2016年交通安全ポスターデザイン」(全日本交通安全協会主催)の運転者向け部門で、最優秀となる内閣総理大臣賞に輝いた。過去10年間応募を続ける中畑さんにとって2度目の受賞。「『これぞ』と思って毎回出しています。本当にうれしい」と喜んでいる。
このコンクールは毎秋課題となる標語が発表され、それに応じたポスター作品を募る。今年は「こんばんは 早めのライトで ごあいさつ」。中畑さんは、夕暮れ時の町中で、ヘッドライトを灯した2台の車が手をふりながらすれ違う様子をやわらかなかタッチで描いた。「文字がはっきり見えることと、絵と文字のバランスに注意します。シンプルなデザインで、いかに今までにないものを作るかに苦心しますね」。受賞の連絡には「思わず聞き返しました」。作品はポスターとして1年間全国で使用される。
2006年から技術を磨くため、毎年、このコンクールに応募しており、11年には歩行者・自転車利用者向けの部門で内閣総理大臣賞を受賞したのをはじめ、警察庁長官賞、全日本交通安全協会会長賞など入賞は多数。「プロがたくさん参加します。表彰式の際に入賞者同士で作品について話をするのが最高の楽しみ。刺激になるので、それを目指している感じです」
テレビ和歌山の制作部などを経て、01年にデザイン工房・陶ギャラリー「つくりん房」を開設。ロゴマークやイラストのほか、夫婦で陶作品を制作する。10代後半から4年間の闘病生活を経験し、「一歩進んだら景色は変わる」「やらんと始まらん!」「生きてるってオモシロイ」と生きる喜びを自らの作品に込めている。
(ニュース和歌山2016年4月16日号掲載)