16042302_masugisuruga

 4月14日に最大震度7を記録した熊本地震。19日時点で未だ余震が続き、被災地では多くの住民が不安な日々を過ごしている。遠く離れた和歌山からできる支援は何か。2011年の東日本大震災と紀伊半島大水害で被災地のボランティア活動をコーディネートした、わかやまNPOセンターの土橋一晃さん(写真)に支援の在り方について尋ねた。(文中敬称略)

──和歌山で市民ができる支援は。

土橋 まずは寄付。義援金は日本赤十字社や共同募金会がとりまとめ、被災市町村に割り振られて被災者へ均等に配られます。被災人数が多いと1人当たりの金額は減りますが、1円でも多い方が生活再建の力になる。和歌山では日本赤十字社県支部(和歌山市吹上)、県共同募金会(同市手平のビッグ愛7階)が窓口になっています。

──物資不足も深刻です。

土橋 物資のニーズは短期間で移り変わります。物を送る際は被災地の状況をインターネットなどでよく調べ、送るのにかかる時間や必要な物の見極めが大切です。

──ボランティア活動する場合は。
16042302_tuti

土橋 個人的なつながりで被災地へ行く人もいますが、行くあてがない人は、自分が住んでいる市町村の社会福祉協議会(社協)に相談してください。必要な物資やボランティアは現地の社協が把握していて、募集を始めると、活動内容や申し込みの有無、必要な装備などの情報が全国で共有されます。現地に直接問い合わせると被災地の負担につながるので、必ず自分が住んでいる市町村の社協に問い合わせてください。

──活動時の注意点を。

土橋 被災地へ入る場合は、食事や宿泊など全て自己完結できるよう準備するのが鉄則です。被災地に県外ナンバーの車があるだけで不安に感じる被災者もいます。車中泊はなるべくせず、近隣市町村で宿泊先を見つけるようにしてください。

──ほかには。

土橋 ボランティア活動保険には必ず加入を。往復の道中や活動中の事故やケガの際に役立ちます。年度末の3月でボランティア活動保険が一斉に切れたので、4月以降更新や再加入をしていない人は、社協で手続きしてください。

──今、私たちにできることは。

土橋 被災地の体制が整って現地からニーズが発信されるまでは、情報収集と準備をしておくこと。わかやまNPOセンター(073・424・2223)か県NPOサポートセンター(同435・5424)でも活動の相談を受け付けています。

熊本地震募金箱設置場所(本紙配布地域、いずれも6月30日まで)
和歌山市=市役所1階総合カウンター
海南市=市役所1階受付、海南保健福祉センター、巽・亀川出張所、野上支所
岩出市=市役所1階福祉課と2階市長公室、公民館8ヵ所、図書館、駅前ライブラリー、総合体育館、民俗資料館、ねごろ歴史資料館
紀の川市=市役所1階市民課、各支所

(ニュース和歌山2016年4月23日号掲載)