究極の響きを追求する調律師と演奏家を追った映画『ピアノマニア』の上映会が5月15日(日)午後2時と5時、和歌山市西高松の県立図書館2階で開かれる。映画に登場するスタインウェイ社のピアノを前に、海南市の調律師、成川弘治さんと和歌山市のピアニスト、津本和己さんが解説する。成川さんは「普段、表に出ることのない調律師の仕事がありありと映し出されています」と話す。
上映会は映画愛好家でつくる「シネブラボー」が企画。成川さんは一級調律技能士で、専門学校の講師を務めた後、2008年に「アーティストサービス夢や」を設立し、県内外で調律に飛び回る。
『ピアノマニア』は世界の名だたる演奏家から信頼を寄せられるドイツ人調律師、シュテファン・クニュップファーと、次々に課題を与えるピアニストに迫ったドキュメンタリー。バッハの未完の曲『フーガの技法』録音に向けた1年間の奮闘を追った。各国の演奏家も多数登場する。
初回上映後、成川さんに長年調律を依頼する津本さんと共に「2人のピアノマニア」と題し、解説を交え、その場で調律して演奏を披露。津本さんは「ピアノがいくら優れていても、いい調律師がいないと成り立たない。実際に演奏を聴くことで、調律でどのように音が変わったかを感じられます」とにっこり。
シネブラボーの高水美佐さんは「県立図書館にはスタインウェイのピアノが2台もあり、いい音楽ホールがある。仕事への熱意を感じられる魅力的な作品を、『たまにはちょっと映画でも』と気軽な気分で楽しんほしい」と願う。
1300円(当日1500円)、学生500円。2人のトークは1回目の上映後のみ。希望者は同館(073・436・9530)。
(ニュース和歌山2016年4月23日号掲載)