ゴールデンウィークに突入。和歌山市の港町・加太では、29日から南海加太線に鯛のラッピング電車が走り始めた。住民たちも地元を盛り上げるため奮闘している。加太の〝漁師妻〟たちは旬素材をふんだんに使った手作り料理の店を立ち上げ地域内外の人をおもてなし。まちづくり会社は5月8日(日)にイベント「加太に行きタイ!マーケット」を開く。

漁師妻6人集い「加宝やキッチン]

16043089_kahouya 旬の海産物をメーンに使った料理で観光客や地域のお年寄りを喜ばせようと、主婦6人が4月2日、加太港仲丁組合向かいに「加宝(かほう)やキッチン」をオープンした。メンバーの小嶋こずえさんは「加太の宝をお分けしたいという気持ちで名付けました。地域の交流の場に育てたい」と張り切る。

 鯛の一本釣り漁やたこつぼ漁にいそしむ夫を持つ40~50代の女性が、たこ焼き屋跡を改装して開店。たこ飯、ひじきの酢飯、めかぶうどんなど、旬の食材にこだわったメニューを日替わりで用意し、隣接するガレージに飲食スペースを設けた。

 地域住民も利用しやすいよう、マカロニサラダや筑前煮、炊いた小芋など、持ち帰り用の総菜を並べており、住民が歩いて買い求めに来る。「この間のんおいしかったわ」「今日はちょっと涼しいねぇ」と会話が弾む憩いの場になっている。

 営業日は朝から大忙し。メンバーの由井雅子さんは「昼食のおかずを買いに来てくれるお年寄りが多く、食事に困っている人がこんなにいたんだなと実感します。仲間で集まり、わいわい味付けの話をするのが楽しいですね」と笑顔。

 当面は土日のみで、ゆくゆくは平日の営業を目指す。午前10時~午後2時。5月8日は加太に行きタイ!マーケットに出店する。

写真=「加太の宝をおすそ分けします」と加宝やキッチンのメンバー

まちづくり会社 マーケット企画

16043089_mati 加太地区連合自治会、加太観光協会、加太漁業協同組合の3者でつくる「加太まちづくり株式会社」は、野外イベント「加太に行きタイ!マーケット」を海水浴場南側の加太浜パーク(くじら公園)で初めて開く。

 同社は紀陽銀行、きのくに信用金庫などが連携し、地域活性化に取り組む事業体への出資を行う「わかやま地域活性化ファンド」の投資先第1号。道の駅での海産物加工品販売や、加太浜パークを管理する。

 今回はフリーマーケットが中心で、地元海産物が味わえる飲食ブースも並ぶ。小学生が自分の作品を売るチャレンジブースや、西浜中吹奏楽部などのステージも。今回は〝第0回〟とし、今後は定期開催を目指す。

 ボランティアメンバーで加太出身の佐竹幸さんは「イベントが加太の町を巡るきっかけになれば。加太のみんなが協力することで、子どもたちの地元愛が育まれるはず」とにっこり。

 まちづくり会社社長で連合自治会会長の尾家賢司さんは「加太は今、人口約3100人だが、2040年には2400人に減ると試算されている。様々なことに挑戦し、住民増につなげられれば」と願う。

 マーケットは午前10時~午後3時。

写真=地元ボランティアも協力し初のイベントを企画

(ニュース和歌山2016年4月30日号掲載)