16051404_siro

 和歌山城からバリアフリーの意識を発信する市民団体「和歌山城からはじめよう!みんなにやさしい和歌山をつくる会」は、天守閣下の石階段に設置したスロープと、目の不自由な人向けに作成した城の模型を和歌山市に寄贈し、5月10日に尾花正啓市長から感謝状を受けた。笹尾恭子代表は「お城から人に優しい和歌山を目指そうと取り組んできました。身体が不自由な人と行政との橋渡しになるよう、これからも活動を続けたい」と喜んでいた。

 障害の有無や年齢に関係なく、だれもが快適に過ごせる街にしようと、福祉関係者や建築家、弁護士らが2012年に立ち上げた会。市と協働で城内にスロープの設置を進め、昨年秋には和歌山南ロータリークラブの支援を受けて整備したスロープを市に寄贈した。

 模型は、メンバーが目の不自由な人を案内した際、「石垣は触ってもらえたが、天守閣は口頭で説明しても伝えきれなかった」経験から作成。同市出身の造形作家、溝端秀章さんが段ボールと石粉粘土を使って、設計図をもとに100分の1サイズで完成させて市に贈った。現在は希望者に直接手で触れてもらえるよう、わかやま歴史館の和歌山城整備企画課で管理しながらカメラで様々な角度から撮影し、3Dプリンターで複製する準備を進めている。

 尾花市長は「お年寄りや障害がある人が利用しやすくなるよう、アイデアを出してもらいありがたい。外国人観光客も増えており、優しい市として定着しつつある」と感謝の気持ちを伝えた。

写真=お城のバリアフリー化に努めるメンバーたち

(ニュース和歌山2016年5月14日号掲載)