16060402_kango

 年間約300人の看護師を養成する東京医療保健大学は2018年4月、和歌山市に和歌山看護学部(仮称)を開設する。県内の看護師不足解消と市街地活性化を目指し、県と和歌山市が誘致。同市小松原通の和歌山赤十字看護専門学校と同市東坂ノ上丁の雄湊小学校の校舎を活用する。

 県の県内看護師需給計画は2015年末時点で需要14610人に対し14354人と256人足りておらず、今後もニーズは高まる見込みだ。また、災害時の医療活動や地域医療の進展で看護師に求められる技術や知識が多様化。こういった分野を学べるよう日赤和歌山医療センターは同専門学校の4年制大学移行を考えていたため、県と市の支援を受けて日赤、同大が連携し、看護学部を新設することにした。

 1学年の定員は、現在の50人から90人に増やす。18年度入学生から募集を始めるが、卒業まで4年かかるため、3年で卒業できる専門学校も18年度入学生まで受け入れ、卒業生を絶やさないよう配慮する。校舎は教養科目が中心の1、2年は雄湊小、実習が増える3、4年は専門学校を利用。従来通り、日赤和歌山医療センターでの学生の実習や医師の講師派遣は継続する。

 5月30日に県庁で開かれた設置協定締結式(写真)で、同大の田村哲夫理事長は「地域の病院と連携し、医療ニーズに合った看護師を養成する」。同センターの平岡眞寛院長は「日赤看護学校の志を継承しつつ、病院や県内の医療に貢献できるよう発展的に支えていきたい」と語った。

(ニュース和歌山2016年6月4日号掲載)