地元の風景を約40年間撮り続けたアマチュア写真家、丸山英治さんの遺作展「紀三井寺より2─春夏秋冬」が30日(木)まで、和歌山市三葛の画廊喫茶安堵で開かれている。
今年4月、88歳で亡くなった丸山さんは海南市出身で、約25年前に和歌山市三葛へ移った。長年、風景のほか、花や花火などを撮り、野上電鉄は1994年に廃線となるまで約20年間、カメラを手に追い続けた。70歳代のころは近所にある紀三井寺の境内まで毎日のように階段を上り、シャッターを切った。
遺作展の会場、安堵では最近約20年、個展を開いてきた。今月も予約していたが、4月に他界。亡くなる前に出品作品の準備を終えていたことから、急きょ遺作展として開催することにした。
桜や紅葉が彩る境内、雪化粧した木々、境内から望む夕日など17点が並ぶ。安堵オーナーの金谷幸明さんは「『写真を教えてくれる人はいないか?』と店に問い合わせがあれば、いつも丸山さんを紹介していました。本当に親切な方で、その人間性の良さから写真仲間も多かった」と懐かしむ。遺作に目をやり、「丸山さんの写真はロマンがあり、夢を感じられるものが多い気がしますね」。出品作品は秋ごろ、紀三井寺へ奉納する予定だ。
午前9時~午後4時。金曜休み。安堵(073・445・2214)。
(2016年6月11日号掲載)