和歌山市遺族連合会は、和歌山県遺族連合会発行の記念誌『あゝ大東亜戦争 遺児たちの歩んだ道』を4日、同市の小・中71校へ寄贈した。市遺族連合会の太田豊隆会長は「戦争を知らない子どもにこそ読んでもらい、平和をつなげていきたい」と力を込める。
記念誌は戦後70年を迎えた昨年8月、県遺族連合会が作成した。戦争で家族を失った子ども38人が戦中と戦後の困窮した暮らしの記憶を記している。市遺族連合会の服部惠伊子副会長は「戦争が起こると、家族や家、食べ物、着る物も全てを失う。戦時中だけでなく、戦後の生活も辛く悲しいものだと分かってもらえれば」と語る。
記念誌は各学校の図書室に置かれる。原一起教育長は「体験談の一言では言い表せない当時の悲惨さを伝える内容。豊かな時代の今だからこそ、子どもが戦争の問題と向き合う教材として活用します」と感謝していた。
写真=目録を渡す太田会長(左)
(ニュース和歌山2016年7月9日号掲載)