11月に県内先行上映
和歌山市で全編撮影された映画『ちょき』の先行試写会が7月29日、和歌山市松江のジストシネマ和歌山で開かれた。市民になじみ深い風景の中で物語が展開する純愛映画で、11月19日(土)から同館、イオンシネマ和歌山など県内5館で全国に先駆けて上映される。
同市出身の映画プロデューサー、前田和紀さんときのくに地域活性化協議会が企画を練り、市の協力で製作が実現した。妻を亡くした美容師の男性と、心に傷を負う盲目の少女のふれあいを描いた作品で、主演は増田璃子と吉沢悠。2013年に『ゆるせない、逢いたい』で劇場長編映画デビューを飾った金井純一監督がメガホンをとった。
1時間40分の作品ではじゃんじゃん横丁はじめ、和歌浦天満宮、磯の浦、マリーナシティ、紀の川など市民に親しみ深い場所が次々に登場。海辺の美しい風景を背景に、登場人物2人の心の変化を映し出している。
試写会後、尾花正啓市長と金井監督が対談。尾花市長は「和歌山の美しさを再発見できる映画。全国でヒットしてほしい」。金井監督は「和歌山盲学校の生徒さんに会い、『不自由はありますか』と聞くと、『ないです』と答えが返ってきて、気持ちが入った。苦労より感謝しかありません」と話した。
また、金井監督は「当初はもっととがった内容だったが、地元の人の優しさに触れ、脚本が変わり、とても優しい内容になった。近年ない、ピュアな作品です」と語っていた。
(ニュース和歌山2016年8月6日号掲載)
写真上=和歌浦天満宮でのシーン
写真下=会見する金井監督