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 水辺をまちづくりに生かす市民団体でつくる「川さらい隊」が10日、和歌山市中心部を流れる市堀川を初めて清掃した。漁業用の網で川底を引き、2時間半かけて水中のゴミを集めた。企画した和歌山大学観光学部の永瀬節治准教授は「市民を巻き込み水辺で行動し、行政や市民が川に関心を高めるきっかけにしていきたい」と力を込めていた。

 きっかけは、永瀬准教授のゼミ生と市駅周辺の住民が、川の新たな可能性を感じてもらおうと昨年9月に行った市堀川クルーズ体験。2日間で292人が乗船し、好評だった一方、ゴミが目についた。「川は濁り、船底が何かに当たってこすれることがあった」と永瀬准教授。今年10月にもクルーズ体験の開催を予定する。今回は観光利用に加え、浄化で本質的な川の価値を見直すため、水辺の活用を創造する市民団体のミズベリング和歌山やみずせった普及実行委、和歌山市の職員らと「川さらい隊」を8月に発足、浄化に乗り出した。

 10日は、重りを付けた網を両岸から引っ張り、中橋から東に向かって京橋まで約200㍍を20人で引いて掃除した。残飯やタバコの吸い殻、くつ、ペットボトルなどゴミ袋6袋分を回収。市駅周辺のまちづくりに取り組む森下幸生さんは「ゴミを引き上げた時、臭いに少しえずく人もいた。よく見ると水中にゴミはたくさんある。市民が川の重要性に気付かないといけない」と強調した。

 市堀川クルーズは10月1日(土)と2日(日)。市駅前から新雑賀町の雑賀橋周辺まで約20分かけて走行する。

写真=網を川の両岸から引いてゴミを引きあげた

(ニュース和歌山2016年9月17日号掲載)