和歌山市の山口地区で活動する山口まちづくり協議会の協力を得て、山口小学校5年生が今年、米作りに初挑戦。地域の休耕地で育て、収穫した米720㌔は給食で味わうほか、11月6日(日)に同小で開かれる地域の文化祭で販売する。稲刈りを体験した中井陽菜さんは「昔の人の大変さが分かりました。力がいる手作業でしたが、地域の人にコツを教えてもらい楽しかった」と喜んでいた。
同地区は大阪との府県境に産廃処理場の建設が計画されており、6年前から住民が反対運動を続けている。一方、市が策定を進める長期総合計画には各地域の魅力創造が挙げられているため、運動でできた住民のつながりを魅力づくりに生かそうと、今年4月に自治会役員らが協議会を立ち上げた。
米作りは活動の第1弾。6月に田植えをし、稲が育ってくると手作りのかかしを立てた。9月の稲刈りでは、使い慣れない鎌を手に1株ずつ丁寧に刈り取り、縄で縛って丸太で組んだ木に干した。野口陸くんは「刈り方と、稲を束にまとめてくくる方法を教わりました。手際よくする地域の人たちはすごいと思いました」とにっこり。
同協議会の平岡卓治代表は「田植えや稲刈りの経験のない子が多いですが、要領をつかむのがみんな早く、頼りがいがありました。地元で思い出を作り、愛着を持ってほしい。地域の大人と子どもがふれあうきっかけにもなりました」と目を細めていた。
文化祭は午前9時~午後4時。米は5㌔1000円で販売する。このほか、歌や踊りのステージ、作品展や模擬店がある。山口支所(073・461・1011)。
写真=地域の人と一緒に稲刈りに汗を流した
(ニュース和歌山2016年10月29日号掲載)