漫画家マエオカさんトーク
ハロウィーンを控えた10月29日、日本の妖怪や忍者のコスプレで楽しんでもらおうと、城プロジェクトが和歌山城西の丸広場で開いた「冥途カフェ」。その一環として、ニュース和歌山土曜号で「妖怪大図鑑」を連載する漫画家、マエオカテツヤさんが約100人を前に妖怪トークを披露した(写真)。
まずは会場の和歌山城にいた妖怪として、殿様から城の見回りを頼まれた天狗(てんぐ)や、夜道、灯を持って歩く人の顔を覆って血を吸ったり、火を食べたりする野衾(のぶすま)を紹介。「野衾の正体はムササビと言われます。川の中で魚を捕れなくする『足ナカ』はカワウソ、鳥とも獣ともつかず、森のほこらにすむ『エセレンボー』はコウモリといったように、正体が分かっている妖怪もあるんです」
最後は知人から聞いた話を披露。パチンコ屋で落ちている玉を拾っていた女の子と出会い、その子と母親に卵とじうどんをごちそうした。その帰り、自分の母親宅に寄ると、アルバムの中に母親と見知らぬ小さい女の子が写った写真を見つけた。聞くと、自分が生まれる前に亡くなった姉とのこと。「しっかりした子で、近所の人から肉や野菜をよくもらってきた。ある時、見知らぬ女性から、卵とじうどんを食べさせてもらったこともあったんよ」──。
最前列で聞いていた植田菜々美さん(中1)は「うどんの話が一番面白かった。過去と現代がつながるところが不思議」。会場では、連載「妖怪大図鑑」に掲載したイラストも展示。毎週、記事を祖母と読む辻陽太くん(小2)は「連載は切り取ってノートにはっています。妖怪は全部好きです」と目を輝かせていた。
(2016年11月5日号掲載)