イコール会議 防災、暴力防止…幅広く活動
「男女とも元気にいきいき暮らせる和歌山」を目指す女性団体「和歌山イコール会議」が結成3周年を迎えた。防災や子育て、介護、性暴力防止などをテーマに講座や啓発リーフレット発行と、女性目線での取り組みを軌道に乗せている。講座受講生には「学んだことを地域で生かそう」と考える人も出て、活動はさらに広がりをみせそうだ。
イコール会議は2013年12月、県男女共同参画センターの「つながりを広げる交流会」に参加した女性が中心となり、発足した。会員120人は、「防災」「地域づくり」「働き方」「暴力防止」「子育て・介護環境」「多様な生き方応援」のいずれかの部会に所属。2ヵ月に1度の会合を通し各種企画を実行する。
活動の大きな部分を占めるのは、防災関連だ。防災士の市場美佐子防災部会長を講師に、結成当初から女性と防災の現状、対策について意見交換。今年1月の講演会では「地域に男性が少ない時間帯に災害が起きた時、どう動くか」と女性目線での対策を考えた。
これに先駆け、暴力防止部会が「災害と女性」をテーマに講演会を開催。東日本大震災では避難所に授乳室や更衣室がなくプライバシーが守られず、性暴力があったことを紹介した。
市場さんはこれらを踏まえた防災講座で、避難所でがまんを続けた末に亡くなる関連死が多いことや、自分専用の防災袋を持つ意味を伝え、非常食や簡易トイレ作りを指導した。
一方、働き方部会は、幼児期から男女対等の感覚を身につけてもらえるよう「おすすめ絵本リスト」を14年に作り、県内の小中学校に配布。「仕事と子育て」「仕事と介護」にかかわるリーフレットも作成した。介護版に携わった医師の辰田仁美部会長は「介護に直面し仕事を続けるかどうか悩む人を間近に見ます。仕事を続けるには、何が必要かを考える入口になることを意識しました」。
弁護士の松原敏美会長は「各部会の取り組みはすぐに効果は見えませんが、へこまずにできることをする。草の根レベルの活動を定着させたい」と決意を新たにした。
(2016年12月17日号掲載)