和歌山市の中心市街地が生まれ変わろうとしている。南海和歌山市駅ビルは3年後をメドに建て替え。市街地では伏虎中学校と同中校区内3小学校が合併し、城北小と城北公園跡に伏虎義務教育学校が4月に開校する。空いた伏虎中跡に市民会館と県立医大薬学部、本町小跡に和歌山信愛大学教育学部(仮称)、雄湊小跡に東京医療保健大学和歌山看護学部(仮称)が進出予定。まちなかを行き交う学生増で、にぎわいが期待される。

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 40年以上親しまれた市駅ビルは、茶色いレンガの外壁が落ち着いた雰囲気を醸し出すが、近年は老朽化が目立っていた。

 新ビルは、東に市民図書館などが入る4階建て公益施設棟、西に3階建て商業棟、オフィス棟ほか、中央北に12階建てのホテル棟を設ける。鉄道、バスの拠点で、人が交流する場と位置づけ、にぎわいを生みだしたい考えだ。

 今年3月末完了を目標に改札の1階移設工事と、4階建てオフィス棟の建設が進む。長年市民に親しまれた現ビルは4月以降解体され、姿を消す。図書館が入る公益施設棟が2019年、商業棟、ホテルは20年3月の完成を目指す。

写真=右に図書館、中央奥はホテル、左は商業施設が入る

 

薬、看護、教育学部開設へ 学生増で経済効果期待

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 伏虎中学校と、本町、城北、雄湊の各小学校は、少子化の影響で合併、再編が決まった。各校跡地に大学進出が計画されている。

【県立医大薬学部】
 大きく変わるのは、伏虎中跡。県、市の計画では、校舎をすべて撤去し、けやき大通りに面する敷地南側に市民会館を、北側に県立医大薬学部校舎を建設する。6年制で、1学年100人。市民会館と隣接することから、大学関係者の利用だけでなく、地域に開放するゾーンを設定。市民会館、薬学部とも21年開設を予定している。

【信愛大学教育学部】
 本町小跡には、和歌山信愛女学院が和歌山信愛大学を新設予定。男女共学の4年制で、1学年80人。小学校、幼稚園の教員免許、保育士資格を取得できる教育学部子ども教育学科を置く。校舎、体育館を改修、活用し、19年の開校を見込む。また、市は同地に本町認定こども園の設置に向け検討している。

【東京医保大看護学部】
 校舎再利用は、雄湊小跡も同じ。東京医療保健大学が1学年80人の看護学部を新設し、1、2年生が教養科目を学ぶ。現校舎2棟と体育館を活用の上、一部新築し18年に開校する。3、4年生は日赤医療センターの赤十字看護専門学校を使う。

 和歌山大学、県立医大の移転で学生が少なくなった市街地。和歌山社会経済研究所の大門忠志研究部長は「市駅から各校へラインができ、面に広がる可能性がある。飲食、物販で短期的な経済効果は期待できる。長期は取り組み次第」とみる。

 3大学進出による学生増が、市街地のにぎわい復活につながるか。

(2017年1月3日号掲載)