菓子を生かしたまちおこしの先進地、兵庫県豊岡市から地域づくりの手法を学ぶ講演会が2月4日、海南市で開かれた。3万5000人以上の集客を誇る菓子イベントの仕掛け人、豊岡市但東振興局長の谷岡慎一さんを招き、海南市観光協会が主催。「鱧の街・菓子の街 海南プロジェクト実行委」メンバーや市民ら60人が真剣に耳を傾けた(写真上)。
菓子の神様、田道間守(たぢまもり)が、菓子のルーツと言われる橘を中国から持ち帰り、下津町橘本にある橘本神社の旧社地に植えた。この伝説に着目し、海南では2015年に同実行委が発足し、2017年4月2日(日)に初の「お菓子まつり」を開くなど菓子による地域づくりを始めている。
講演会では、谷岡さんが田道間守の生誕地、豊岡市の中嶋神社に目を付け、10年から同市で菓子のイベントを開き、地元ににぎわいをもたらした戦略や仕掛けを説明。最後に、「菓子の素材になる柑橘類が豊富な和歌山は既に恵まれている。それらの素材と田道間守の物語を掛け合わせ、地域振興の切り札にしてほしい」とエールを送った。
同実行委の前田洋三推進委員長は「地域の人を巻き込む仕掛けやたくさんの苦労で大きな祭りになってきたと知った。海南もオリジナルの企画を取り入れ、菓子の街、海南のファンを増やしたい」と意気込んでいた。
また、同実行委が橘をあしらった猫「海(かい)ニャン」をテーマに公募していたイメージキャラクターが決まった(同下)。海南市内外から201通の応募があり、亀川小4年、浦田菜和(ののか)さんの作品が選ばれた。まるまるとした橘の実の身体、へたの帽子に肉球がポイント。今後、まつりのPRや土産品の包装などに活用する。
(ニュース和歌山より。2017年2月18日更新)