上半身はきのこ、下半身は人間の足──!? 和歌山市のハンドメイド作家、大久保真季さん(写真)が作るかばん用の飾り「てくてくきのこちゃん」。2016年12月にタレントの千秋さんら主催の手作り作家展「ハローサーカス」の出展者の一人に選ばれ、購入者がインターネット上で交流するサイトが立ち上がるなど注目を集めている。
愛知県出身の大久保さんは、長女を出産後、7年前に夫の実家がある和歌山へ。母親が集まるハンドメイドサークルに入ったのをきっかけに、ものづくりに目覚め、自身で5年前にサークルを立ち上げた。食パンや鏡もち、金魚などをモチーフに一風変わった粘土アクセサリーを作る。
きのこちゃんは、もともと好きだったきのこに「足をつけてより広い世界を見せてあげたい」との空想から生み出した。上半身は布にひだを細かく描いたきのこの傘、下半身はスカートをはいた人間のような足。「足を付けたのは、『主婦だから、母親だからできない』と新しい世界に出ることをあきらめていた自分が一歩前に踏み出せればと思いを重ねた部分もあります」
購入者の1人が「あまりのかわいさにひとめぼれ。連れて歩いています」と、旅先できのこちゃんを撮影した写真を大久保さんに送るようになったことから、昨年秋に「てくてくきのこちゃんの会」を発足。県内外のファンが東京ディズニーランド、沖縄、京都と様々な所で撮影した写真を交流サイト、フェイスブックの「てくてくきのこちゃんの会」に投稿し交流の輪が広がっている。
東京で開かれた作家展「ハローサーカス」は、プロの作家を目指す母親らを応援するプロジェクトで、独特の形とポップな色合いが目を引いた。大久保さんは「外出や、人と交流するきっかけとして楽しんでもらいたい。かばんに付けて色んな世界へ飛び出してもらえれば」とほほ笑む。
3月は8日(水)〜10日(金)にふじと台のエスタシオンで開かれる「えきうえマルシェ」、20日(月)に同市手平のビッグホエールで行われる「シュシュマーケット」に出店する。詳細はフェイスブック「ハンドメイド雑貨 morino-zakka」。
(ニュース和歌山より。2017年3月4日更新)