和歌山電鐵貴志川線のたま電車内に設けられている文庫に4月4日、和歌山東南ロータリークラブから書籍350冊が贈られた。同クラブの土屋一博会長は「外国人観光客に日本や和歌山へ親しみを感じてもらえるよう、外国語の本も入れました。本を読むために何度も電車に乗ることで、貴志川線の永続につなげたい」と望んでいる。

 2009年誕生のたま電車。車内文庫は市民の寄付などで寄せられ、たま電車の乗車中は自由に読める。約500冊があったが、傷みがひどく、入れ替えが必要になっていた。

 乗客に外国人観光客が多いことを受けて、日本語だけでなく英語、韓国語、中国語の本をそろえた。日本語版は高野山や熊野古道、南方熊楠など和歌山をテーマにした本が中心で、子ども向けに図鑑や写真集も並んでいる。外国語の本は、国内の観光地や侍といった日本文化を紹介する作品を選んだ。

 和歌山電鐵の小嶋光信社長は「日本に来て自国の言葉の本が見つかるとうれしいはず。和歌山電鐵で良い思い出を残してもらえる」と喜んでいた。

写真=駅長見習い「よんたま」も興味津々

(ニュース和歌山より。2017年4月15日更新)