和歌山を地盤にしたプロレス団体「紀州ぶんだらプロレス」が昨春立ち上がり、1年間の準備期間を経て、5月28日(日)に和歌山市中之島の和歌山県立体育館補助館で旗揚げ戦を実施する。地域のまつりなどでの出前試合も積極的に行う考えで、運営する岩出市のNPO法人ドリームクリエイターの米谷克己理事長(57)は「まずは『紀州ぶんだらプロレス』の名前を知ってもらい、県内の隅々まで元気を届ける活動をしていきたい」と意気込みを見せる。
米谷理事長は子どものころから大のプロレスファンで、2000年以降、仕事のかたわら、大阪や東京、名古屋でプロレスイベントを企画・運営し、さらに他団体が開く催しを手伝ってきた。この経験を生かし、プロレスで和歌山の盛り上げに一役買おうと、昨年3月にNPOを発足させた。現在、真田丸、ルチャマスター武丸、武蔵deBENKEIの3選手と、レフリーのマンボ慎太郎さんが所属する。
28日の旗揚げ戦は「乳がん検診推進チャリティプロレス」として実施。愛知のNPOが4年前から母の日に開いている催しで、昨年からは別のNPOが三重でも開催。愛知のイベントを米谷理事長がサポートした縁から、「愛知、三重とピンクリボンの輪をつなごう」と和歌山でも開くことにした。
当日はシングルマッチ2試合、タッグマッチ3試合。他団体の選手、さらにフリーで活動する選手を合わせ、計16人が出場する。真田丸選手は「ご当地・和歌山での初試合になりますので、新たに〝幸村〟という技を開発しました。まだ極秘ですが、当日はこの技で必ず勝利したい」とマスクの中で目を輝かせる。
和歌山市出身の武丸選手は、ルチャリブレを修得するため、メキシコで5年近く修行した経験を持つ。「メキシコではプロレスをルチャリブレ(自由なる闘い)と言います。本場仕込みの空中殺法、関節技で地元和歌山のお客様の度肝を抜き、〝ルチャマスター〟の異名は伊達じゃないというところをアピールします」と鼻息が荒い。
米谷理事長や選手らの熱い思いを受け、2013年に大阪で道頓堀プロレスを立ち上げた有田川町出身の空牙(クーガー)選手も参戦することになった。「地元にプロレス団体が立ち上がったことで、和歌山県人として喜んで参戦させてもらうし、和歌山でもプロレスにもっと目が行くようになれば最高。この旗揚げ戦、〝おかわり〟が欲しくなる上等なプロレスをお見せしましょう」
米谷理事長は「空牙選手以外は仕事をしながら練習し、土日にこういった試合に参加する〝週末レスラー〟。メジャーな団体と比べるとレベルは高くありませんが、熱い思いを持つ彼らの試合だからこそ伝わるものがある。試合を見て、元気を受け取ってもらえたら」と思いを込める。
旗揚げ戦は午後2時から。ちびっこリング体験やピザ料理教室もある。無料。申し込み不要。会場では乳がん体験者らでつくる「ピンクリボン運動in和歌山」が検診について説明し、募金活動を行う。詳細は紀州ぶんだらプロレスフェイスブックか米谷理事長(0736・61・2325)。練習生、ボランティアスタッフを随時募っている。
写真上=紀州ぶんだらプロレスのエース真田丸選手、同下=キックを繰り出すルチャマスター武丸選手(いずれも米谷理事長提供)
(ニュース和歌山より。2017年5月20日更新)