♪われは湖(うみ)の子 さすらいの──。加藤登紀子のカバーがヒットした『琵琶湖周航の歌』誕生100年記念合唱コンクールが6月25日、滋賀県高島市で開かれ、和歌山市の童謡唱歌をうたう会つぼみが特別賞「湖の子賞」を受賞した。平均年齢75歳を超える女性合唱団は、結成23年で初めてのコンクール挑戦。メンバーは「日本人の心の歌を世代を超えて歌い継いでいきたいと活動を続けてきた。その思いが伝わりました」と喜んでいる。

 コンクールは『琵琶湖周航の歌』を課題曲に毎年実施され、21回目の今回は近畿を中心に愛知や岐阜から25グループが参加した。

 つぼみは、課題曲を二部合唱、自由曲の『鞠(まり)と殿さま』を三部合唱で披露。審査員から「琵琶湖への思いを、優れたハーモニーで表現した」と評価された。

 指揮の髙瀬優佳さんは「自由曲は和歌山を強く出そうと選びました。3ヵ月練習しましたが、賞はまったく頭になかった」、ソプラノを担当する松嶋かよ子団長は「力まず気楽に歌ったのが良い結果につながった」と笑顔を見せる。

 1994年結成のつぼみは、68~88歳の22人で活動。コンクール前に「もう歳やし、無理」と弱音をもらしたメンバーも、受賞をきっかけに「何か目指すものがあるのもいいね」と変わってきた。
 髙瀬さんは「会が次の世代へと続く中で、私はその途中にある『今』を預かっている思い。歌い継ぐため、今後は若い世代と共に活動する機会を増やしたい」と考えている。

写真=琵琶湖周航の歌コンクールで入賞したつぼみ

(ニュース和歌山/2017年7月15日更新)