和歌山市で活動する劇団ZEROがミニブック『わらべうたえほん』を7月に発売した。一冊ずつ製本する川端恵さんは「わらべうたの発祥時期は不明ですが、古くから歌い継がれてきたので、童謡や唱歌よりリズムや音程が日本人に合う。夏らしく水にちなんだ曲も盛り込みました」と話す。
神話時代から名草山に伝わる女王、名草戸畔を題材にした舞台を2年前に創作した同劇団。川端さんは製作の際、地域の神社や関係者を取材し、書物と異なる物語に出合い、口伝で残る文化に興味を持った。一方で子育て支援員として活動する中、保護者から「子どものあやし方が分からない」と相談を受けることが多かったため、子どもに好評だったわらべうたを自宅で楽しんでもらえるよう冊子にした。
抱っこをして舟をこいだり揺らしたりして楽しむ『せんぞぅやまんぞぅ』、手のひらで団子を作る『さよなら あんころもち』、あご、鼻、ほほと順に指で触れていく『あんこうじょうじょ』など9曲紹介。曲のイメージに合わせた絵のページと、音符で歌い方を解説するページがあり、「ひざ抱っこで横揺れ」「リズミカルに歌う」などアドバイスを添えた。
川端さんは「同じ曲でも地域によって歌い方や意味が違うことがあり面白い。ただ、身の回りからわらべうたがどんどん少なくなってきているようで、魅力を親子で感じてほしい」と望んでいる。
500円。A7判、20㌻。和歌山市島崎町のみょうらく、同市松江北のカフェキキ、同市紀三井寺のなぐさファームで販売。問い合わせは川端さんのフェイスブック。
写真=絵本を手にほほえむ川端さん
(ニュース和歌山/2017年8月26日更新)