和歌山市の女性イラスト作家、Ruiさんが9月1日、絵本『わすれないよ。』を和歌山印刷所から出版した。2015年の『だいじょうぶだよ。』に続く2作目で、「1作目よりもカラフルな色使いにこだわりました。手にとった人がほっと心休まる本に」と笑顔を見せる。
誤解によって怒られ、心に傷を負ったウサギのりょうまが、過去にかけられたひどい言葉を思い出し苦しむが、仲間の思いやりある言葉にふれ、立ち直っていく物語。「どん底の闇は真っ黒に、心が軽くなるような場面は、光の加減を表現するために薄い色を色鉛筆で塗り重ねました。裏表紙の草原は4色の緑で塗り分けています」
高校時代にいじめ、就職後は職場の人間関係に苦しんだRuiさん。自らの経験を元に、スケッチブックにしたためたストーリーを絵本にした。1作目は読者から「頑張る力をもらった」との声が届き、今後は講演などで自分の経験を直接伝えたいと考える。「自分は平気な言葉でも、それで傷つく人がいる。傷ついた人、傷つけてしまった人両方に届けたい。傷つく言葉、温かい言葉など、言葉について考えるきっかけになれば」と望む。
B5変形判、32㌻。1620円。ツタヤウェイガーデンパーク店、宮脇書店和歌山店とロイネット店、帯伊書店ほかで販売。問い合わせはHP(http://www.eonet.ne.jp/~manner/ehon)。朗読とサイン会を17日(日)午後3時、同市広瀬中ノ丁の宮脇書店和歌山店で開く。無料。
写真=モデルになったウサギとともに笑顔のRuiさん
(ニュース和歌山/2017年9月9日更新)