地震の防災対策について学ぼうと10~11月にモンゴルの研修員10人が日本を訪問した。11月9日には和歌山大学が開発した防災教育プログラムを実践する和歌山市杭ノ瀬の杭ノ瀬保育所を見学。指導した和大災害科学教育研究センター客員教授の今西武さんは「直接見て、『かなり使える』と実感してもらえた。和歌山の取り組みが世界へ広がれば」と望んでいる。

 国際協力機構による途上国からの研修員受け入れ事業の一環。モンゴルは全人口の約半数が暮らす首都ウランバートル近郊に活断層が3つ見つかっており、防災体制の強化を目指している。今回、県内の幼稚園、保育所22ヵ所で活用されている今西さん考案の防災ソング『台風ロックンロール』『ねぼすけナマズ』の活用現場を見るため、モンゴル政府や関連機関の職員が和歌山を訪れた。

 2曲とも振り付けが用意されており、杭ノ瀬保育所では体操の時間に取り入れている。始めに園児97人が踊りを披露すると、研修員たちも見まねで参加。続く避難訓練では、「押さない」「走らない」「しゃべらない」など約束ごとを確認し、子どもたちと共に園庭へ逃げた。最後に防災コンロで湯を沸かし、備蓄米を試食した。

 研修員のリーダー、ドブチン・ムンフバットさんは「1歳から防災について学べるのはすばらしい。モンゴルでも避難訓練はしますが、子どもにより分かりやすく、シンプルにしようと考えています。和歌山で学んだことを取り入れたい」と感心していた。

写真=備蓄米について説明する今西客員教授(左)

(ニュース和歌山/2017年11月18日更新)