加太中 神﨑八段迎え70周年


 創立70周年を迎えた和歌山市加太の加太中学校は11月10日、同市出身の将棋のプロ棋士、神﨑健二八段を招いた記念行事を開いた。一度に複数人を相手する「多面指し」で神﨑八段が小中学生や地元住民ら約60人と対局。神﨑八段は「厳しい手を打つ子や思いがけない手に出る子など楽しませてもらいました。将棋で身につく集中して考える力をスポーツや勉強に生かしてほしい」と語った。

 神﨑八段は、同校の神﨑信彦校長の弟。信彦校長は教諭として赴任していた20年前も50周年事業として神﨑八段(当時は六段)を招いており、今回も夏休み前から駒の動かし方やルールを生徒たちに教えていた。
 この日、30人ずつの2部制で同校の生徒や加太小生、住民らと多面指し。ロの字形に並べた机の中を神﨑八段が足早に回って駒を進め、解説を交えながら勝負を決めていった。

 中1の森本啓伍さんは「打っても打っても先が読まれ、攻められてばかり。たくさんの人を同時に相手しているのに」と驚いた様子。神﨑八段が王、金、歩のみとハンディをつけてもらった小5の熊取佐介くんは参加者で唯一勝利した。「20年前、中学生だった父が神﨑さんに負けたのでリベンジできて良かった。普段はおじいちゃんとよく指していて、将来はプロになりたい」と目を輝かせていた。

 信彦校長は「デジタルゲーム全盛の中、相手と向き合って考え、自分が決めた一手に責任を持つ将棋は子どもの成長につながる。この経験を大人になっても記憶しておいてほしい」と願っていた。

写真=神﨑八段(左)と対局した

(ニュース和歌山/2017年11月18日更新)