南海和歌山市駅周辺の再開発が進む中、今年は統計局の一部移転や中心部での大学開校が始まり、人の流れに変化が訪れそうです。和歌山市長選と和歌山県知事選も控え、一体どんな一年となるでしょうか。
1月 県出身者出演の映画 全国公開 9月にも
県出身の俳優、小林稔侍さんが初主演を務める映画『星めぐりの町』が1月、オール和歌山ロケの映画『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。』が9月に公開される。
俳優生活56年、名脇役として映画、ドラマに欠かせない存在の小林さん。76歳で初めての主演作となる『星めぐりの町』では、東日本大震災で家族全員を失い心を閉ざした少年に、寄り添いながらも静かに見守る昔かたぎの実直な豆腐職人を熱演している。(1月3日号にインタビュー記事掲載)
一方、『ボクはボク~』は、太地町のくじら博物館を舞台に、飼育員たちの夢と希望を描いた作品で、主演はドラマ『リーガル・ハイ』『とと姉ちゃん』などに出演した矢野聖人さん。地元からは和歌山出身の女優、岡本玲さん、モデルの本谷紗己さん、アイドルの山本瑠香さんが登場する。
和歌山市で撮影された映画『ちょき』(2016年公開)のプロデューサー、前田和紀さんによる地元ロケの映画第2弾で、昨年10月下旬、太地町を中心に新宮市や串本町で撮影した。日本遺産「鯨とともに生きる」を推進する熊野灘捕鯨文化継承協議会と県がバックアップし、地元住民がロケの運営を補助した。
写真=『ボクはボク〜』は昨年、オール和歌山ロケで撮影
4月 市街地に東京医療保健大学 雄湊小跡と日赤病院敷地内
東京医療保健大学和歌山看護学部が4月、和歌山市中心部に開校する。将来的に県内の看護師不足が懸念される中、県と市の支援を受けて実現。1学年90人で、教養科目が中心の1、2年生は東坂ノ上丁の雄湊小学校跡地に設ける雄湊キャンパス、実習が増える3、4年は小松原通の日赤和歌山医療センターに隣接するキャンパスで学ぶ。
最先端の医療機器や設備を備える同センターで実習できるのが特徴。医療・ケアと生活を一体化させ、「住まい、医療、介護、生活支援、介護予防」を提供する「地域包括ケア」を見据え、病院外で在宅看護実習を行う。また、和歌山の歴史や文化、特性について知識を深める「わかやま学」を設け、人々の健康や生活の特徴を学ぶなど、地域に密着した看護に力を入れる。
3年制の和歌山赤十字看護専門学校は、2018年度入学生を最後に募集を停止し、20年度末に閉校する。
写真=1、2年生が学ぶ雄湊キャンパスのイメージ図
8月 少年自然の家跡に国際交流センター
自然の中で生涯学習活動に取り組める青少年国際交流センターが8月、和歌山市加太の少年自然の家跡にオープンする。紀伊水道を見渡せる加太の山頂に、流線型の建物を配置。海抜約50㍍あり、132人収容の宿泊棟は、どの部屋もオーシャンビューになるよう考慮した。
自然とのふれあいや文化、芸術、国際交流など各種生涯学習活動に、グループでの宿泊か日帰りで利用できる。天体望遠鏡で夜空を観測できるよう、管理棟の屋上にデッキを設ける。 少年自然の家は1974年にオープン。和歌山市立小学校の5年生は加太合宿で宿泊するためなじみ深く、100万人以上が訪れた。
これまでは主に小中学生が対象だったが、新たにできる青少年国際交流センターは、大人だけでも利用できる。
写真=右側の宿泊棟は全室オーシャンビュー
海南市民病院跡へみらい子ども園
海南市立みらい子ども園が4月、同市日方の旧市民病院跡地に開園する。保育所と幼稚園、両方の特徴を取り入れた施設で、日方保育所、日方幼稚園、黒江幼稚園、室山保育所を統合し、6ヵ月から就学前の子どもたちを受け入れる。
建物は鉄筋コンクリート造りの3階建て。南海トラフ大地震が発生し、津波に襲われた場合、3階・屋上にいれば安全を確保できるようにしており、その3階には食料や毛布などの備蓄倉庫を設けている。園舎はすでに完成済みで、1月~3月は日方保育所として運営する。
敷地の西側に子育て支援センターと病後児保育室を設け、育児に関する相談に対応。子育て中の親子連れが交流できる場所とする。
和歌山に統計局 業務の一部移管
総務省統計局と統計センターが一部を和歌山に移転するため、新たに統計データ利活用センターを設立。4月に南海和歌山市駅ビルのオフィス棟で業務を始める。中央省庁の地方移転の一環で、両組織の職員のうち、和歌山で十数人が業務に当たる。
国税調査や労働力調査といった統計ミクロデータの提供と、課題解決に利用するデータサイエンスの推進、データを分析し使いこなす人材育成の3つを柱に取り組む。
和歌山県はデータ利活用推進センターを同フロアに開設し、国と協力して業務を行う。
和歌山南IC、岩出橋が完成
岩出橋の掛け替え工事が今春、完了する。開通後は、橋に接続する国道24号の備前交差点から船戸交差点の南にある三差路までを4車線化する計画。
また、3月に県道粉河加太線のバイパスとなる都市計画道路西脇山口線の、直川交差点から東へ1・6㌔が開通する。
高速道路では、和歌山インターチェンジ(IC)周辺の渋滞緩和が期待される和歌山南スマートIC(仮称)の年度内完成を目指す。和歌山ICと海南東ICの間、和歌山市森小手穂で工事が進められており、ETC搭載車のみ利用できる。大阪方面、紀南方面の両方と接続する。
(ニュース和歌山/2018年1月1日更新)