和歌山市が専門家団体と協定

 和歌山市は1月23日、空き家の活用を推進する協定を建築に関連する専門家団体と結んだ(写真)。空き家所有者が市に相談した際、専門家に取り次ぎやすくする内容で、尾花正啓市長は「空き家は多種多様な課題を抱えており、各分野の専門家の協力が得られるのは心強い。使える空き家を流通させ、活用していきたい」と意気込む。

 市の調査では、昨年末時点で民家や商店、工場など使われていない建物が5510棟ある。人口減少が続く一方、世帯は増え、中でも独居高齢者は10年前の1万5347人から1万8746人と急増しており、今後も空き家の増加が予想される。

 倒壊する危険などの問題がある空き家については、市が今年度中に「特定空き家」に指定し、助言・指導、勧告、命令、行政代執行を行う一方、空き家の増加を抑え、流通、再利用を進めるため、専門性の高い民間団体と連携することにした。

 協定を結んだのは県不動産鑑定士協会、県司法書士会、県土地家屋調査士会など7団体。市が空き家所有者の相談内容に応じて、それぞれの専門団体を紹介する。全日本不動産協会県本部の坂本俊一本部長は「空き家の所有者を探すのに苦労してきましたが、協定で特定しやすくなり、活用に向けた手続きがスムーズになると思います」と期待していた。

(ニュース和歌山/2018年1月27日更新)