当事者や支援者語り合う会

 高齢者や障害者を介護する人への支援を考えるフォーラム「『ケアする人を支える』地域づくり」が2月3日(土)午後1時半、和歌山市手平のビッグ愛9階で開かれる。みその商店街で毎週土曜に介護者向けのカフェ「ぼちぼちIKOKA」を設ける共助のまちづくり協会と、わかやまNPOセンターが共催。同協会の島久美子さんは「取り組み開始から4年。介護者を支える活動は増え、必要性を実感しています。今一度、支える人のケアについて考える機会にする」と話している。

 高齢化が進み、介護する人が増える一方、そうした人たちへの支援が少ないと感じた島さんが、高齢者の生きがいづくりや傾聴ボランティアに取り組む仲間と2014年にカフェを始めた。「悩みや将来への不安を語ることで気持ちが軽くなる」と好評で、これまで約500人が訪れた。

 昨年から月2、3回訪れている和歌山市の中口勝美さん(78)は、50代で若年性認知症になった妻を20年以上介護。その妻を4年前に亡くし、無気力状態になった。「介護していた時は毎日暮らすのに必死で、緊張状態が続いていた。それが切れた途端、思考が回らなくなったんです。カフェへ通うようになり、少しずつ言葉にすることで、気持ちの整理ができてきました」と話す。

 こうした当事者の声を共有し、専門家の解説を聞くことで取り組みの意義を再確認しようとフォーラムを企画。1999年に全国に先駆けて奈良で介護者向けの支援を始めた森口弘美さんの講演と、カフェに集う介護者と傾聴ボランティアの事例紹介のほか、朗読サークル「りんく」や身の回りの物で楽器を作る「さわむらしげはるとにこにこ楽団」の発表がある。

 島さんは「介護している人は『支えないと』と使命感でストレスをため込みがち。一人ひとりの実情を聞くと、切実なものがあり、そうしたことを語り合える場が必要です。地域の介護力を向上させるためにも、取り組みを知ってほしい」と望んでいる。

 無料。希望者は氏名、年齢、連絡先を同協会へFAX(073・427・3307)。同協会(同427・3316)。

写真=介護の経験を語り合うことで気持ちを和らげる

(ニュース和歌山/2018年1月27日更新)