シニアと子どもが合同練習

 シニア向けに転び方健康教室を開く和歌山市木ノ本の柔道教室、紀柔館は3月29日、高齢者6人と柔道を習う小中学生20人の合同練習を初めて行った。指導する腹巻宏一さん(54)は「お年寄りは子どもから元気をもらえ、いきいきしていました。子どもたちも高齢者の体がどの程度動きにくいかを知る機会になり、いたわる心を養えたはずです」と話していた。

 筋力が低下した高齢者は転倒する可能性が高く、骨折などをきっかけに寝たきり生活に陥ることが多い。腹巻さんは柔道の受け身を生かし、転倒しにくい姿勢やこけた際の転び方を身につけることで、骨折を予防する教室を昨春から開く。「受講者は体がスムーズに動くようになり、とっさの動きにも対応できるようになりました」と目を細める。

 今回、世代間交流を目的に合同練習を初企画。高齢者は手のひら、ひじ、肩の順に地面につける転び方の手順、一方の子どもたちは受け身や技のかけ合いを披露した。次に、両足を地面につけたままできるようアレンジした投げ技にシニアメンバーが挑戦。体のバランスを崩さないよう慎重に技をかけ、子どもたちは動きに合わせて受け身をとっていた。

 天野裕太さん(13)は「お年寄りと組むのは初めてで、めったにできない経験。こけたら危ないと思い、力を加減しました」。金田章さん(86)は「元気な子どもから活力をもらい刺激になりました」と喜んでいた。

写真=お年寄りと子どもが組み、投げ技を体験した

(ニュース和歌山/2018年4月7日更新)