ワカヤマヤモリ舎 木賃アパート改修

 昭和の懐かしさを残す築56年の木造アパート、希望荘(和歌山市北休賀町)が、オフィスやアトリエ、住まいに生まれ変わる。リノベーションでまちを再生するワカヤマヤモリ舎が手掛けており、現在、入居仲間を募集中。同社の宮原崇さんは「建物が残してきた味わいはそのままに、もう一度ここに明かりを灯したい」と語る。

 遊休不動産を利用し、市街地再生を目指す同市主催のリノベーションスクールを受講した人らで2015年に立ち上げた同社。2年前に希望荘近くで築48年のビルを改修したゲストハウスリコを開業し、国内外からの観光客を呼び込んでいる。

 希望荘は2階建ての風呂無しアパートで、1階の一部に美容室がテナントとして入っているが、2階に廊下を挟んで並ぶ個室は10年前から空室だった。木の廊下に、あたたかな光の電球、すりガラスの窓と昭和の風情が漂う。宮原さんが「周辺の建物が建て替わる中、50年以上前のまちの記憶を伝えてくれる」と、当時のたたずまいを残すため、あえて大幅な改装はせず、水回りや床面など一部の改修でよみがえらせた。

 1階に共用キッチンとリビング、シャワールームを設け、2階の4・5~6畳の個室7部屋を、家賃2万~2万8000円(共益費別)で貸し出す。個人事務所や作家のアトリエのほか、学生らが住居として借りることもできる。

 すでに建築士が個人事務所、他県からの移住者が住まいとして入居することが決まっている。宮原さんは「多彩な人が集まり、入居者で楽しみながら育てていける場になれば」と描いている。

 同社(073・488・6989)。

写真=2階は木の廊下を挟んで個室7部屋が並ぶ

(ニュース和歌山/2018年5月19日更新)