着付師 宇治田いさ子さんが活躍
成人式や結婚式、季節の行事…。和歌山市の宇治田いさ子さんは今春、福祉車いす着付師の資格を取得し、イベントなどでの着付け活動を始めた。8月には、ぶらくり丁で浴衣ファッションショーを企画。「『車いすでも着物が着られた』という経験を自信にし、色んなことをあきらめないで」と願っている。
福祉車いす着付けは、日本理美容福祉協会が全国で講座を開いている。障害者や高齢者に車いすに座ったまま着せる技術で、着物を切ったり縫ったりしないため、レンタル衣装でも利用できる。利用者の身体の負担を考慮し、時間をかけずに完成させ、車いすと帯の当たる部分の衝撃を和らげるなど、工夫する。
短大時代、被服科で着物を扱っていた宇治田さん。長らく離れていたが、2年前、病気とケガによるリハビリ生活中に、着付け教室に通い始めた。
転機は昨春。和歌山城で見かけた着物姿の花見グループのうち、1人だけ普段着で車いすに座っている女性が心に残った。今年に入り、車いす着付けを知り、すぐさま受講。寝たきりの人まで対応できるプロコースを修了し、3月には早速、障害者グループのファッションショーで着付けを担当した。華やかな着物に喜ぶ姿が励みになった。
現在は活動を知ってもらおうと、和歌山市内の結婚式場でサービスを始めたほか、8月のポポロハスマーケットでは、車いすの男女3人に浴衣を着せたファッションショーでPRする。「『仕方なく甚平を着せた』『職員3人がかりで何とか着付けた』と苦労した話を聞いてきました。私にも娘が2人います。車いす着付けは、本人はもちろん、きっと親御さんにも喜んでもらえるはず」と信じている。
宇治田さん(isako.u.135@gmail.com)。
写真=「着物で笑顔を広げたい」と宇治田さん(右)
(ニュース和歌山/2018年6月13日更新)