海南市下津 認定目指し協議会

 海南市下津町に伝わる蔵出しみかんシステムの日本農業遺産認定を目指し、行政や農業関係者でつくる推進協議会が5月24日に発足した。会長を務める神出政巳市長は「受け継がれた農業文化や優れた景観を活用し、次の世代に伝えたい。システムの重要性を地域が再認識し、誇りを持つことで活性化につながる」と意気込んでいる。

 日本農業遺産は、伝統的な農業や漁業などを営む地域を農林水産大臣が認定する制度で、2014年度に創設。静岡のわさび栽培、三重の海女漁業と真珠養殖など、8地域が認定されている。

 今回申請する「下津蔵出しみかんシステム」は、石垣の段々畑を築いた栽培や急傾斜地の活用、貯蔵庫でまろやかな味わいにする熟成の技術、土砂流出を防ぐために残した雑木林などを指す。

 総会で同システムについて解説した和歌山大学の養父志乃夫教授は「先人は苦労し知恵を絞り、強い絆で集落を守り、持続可能な仕組みをつくってきた。地元へ取り組みをどんどんアピールしてほしい」と訴えていた。

 6月中に申請後、数回の審査を経て、来年2月に決定する予定。

(ニュース和歌山/2018年6月13日更新)