土谷千鶴さん 関西第1号の資格取得

 枝付きのミニトマトや大きく育ったパプリカ…。個性ある野菜を巧みに束ね、あっという間にみずみずしく華やかな野菜のブーケを仕上げる。野菜と果物でブーケやオブジェを作る和歌山市のベジフルフラワーアーティスト、土谷千鶴さん(写真)が5月22日、グリームナック野菜ブーケsenka認定のベジタブルプロダクトプランナー資格を関西で初めて取得した。「色んな野菜が世に出て、輝ける場を増やしたい」と笑顔を見せる。

 野菜ブーケの世界に入ったのは、入退院を繰り返していた父親がきっかけだった。花を贈りたくても禁止されている病院が多いと知り、「野菜なら病室に彩りが生まれ、飾った後は食べられるのでは」と、2013年に日本野菜ソムリエ協会認定ベジフルフラワーアーティストの初級を、15年には上級を取得した。

 根が付いた人参や曲がったきゅうりなども手を加えず、あえてそのままを飾る。「直売所で『この子売れ残るやろうな』といういびつな野菜ほど生かしてあげたい。ふぞろいな野菜もブーケにすると味が出ます」。野菜の個性を生かしながら、空間に華やぎを与える作品が評判を呼び、行政の産業祭りや企業の健康フェアなどでオブジェを作り、結婚式の高砂や客席も彩った。

 5月に取ったのは、野菜ブーケの世界で最上級と言われる資格。今まで竹串を刺してブーケにしていたが、極力使わずに野菜だけでバランスを取ったり、高さ170㌢のオブジェを作ったりと高度な空間演出の力が試された。

 今回の資格を生かし、野菜ブーケsenkaの和歌山校を開き、今年中には九州でも出張教室を行う。「作れる人をたくさん育て、野菜ブーケの魅力を多くの人に分かってほしい。いつか野菜を買いに行けない人にブーケにして届け、健康寿命を延ばすお手伝いができれば」と力を込める。

 土谷さん(yasaibouquet.senka@gmail.com)。

(ニュース和歌山/2018年6月16日更新)