児童の安全を守るため、和歌山県警が小学校と協力し、不審者の侵入を想定した訓練を行っている。2001年に大阪教育大学附属池田小学校で起きた児童の無差別殺傷事件以降、訓練を強化する。

 6月1日には和歌山市新庄の小倉小学校で行われた。授業中、不審者に扮した和歌山東警察署の署員が突然、教室に侵入し、「子どもたちと話がしたいんや」と担任に迫った。担任の笛の合図で児童は一斉に職員室へ避難した。不審者は他の教室の扉をたたきながら回り、子どもたちは鍵を閉めて教室の隅にかたまって息を殺した。最後に、教諭が刺またや長い棒で犯人と格闘し、取り押さえた。

 訓練後に署員は刺またの使い方を指導し、「まず子どもたちの命を守り、その次に自分の身を。余裕があれば、多数の先生で協力し、イスやかさ、モップなどを使って取り押さえて」と念を押した。

 同校では毎年6月に訓練を実施している。西本和広校長は「子どもを守るために教師が連携し、機能的に動くことが第一と再認識した。知った気にならず、専門的な指導で実習することで防犯への意識付けになった」と話していた。

写真=教員が刺またを使って訓練

(ニュース和歌山/2018年6月23日更新)