和歌山電鐵 動物愛護啓発する車両
動物愛護を呼びかけるラッピング電車が6月18日、和歌山電鐵貴志川線で走り始めた。猫の駅長で知られる同電鐵と日本動物愛護協会がコラボレーション。同協会の廣瀬章宏事務局長は「猫を大切に育てている和歌山電鐵をパートナーに、国内外から訪れる観光客に動物愛護の精神を伝えたい」と意気込んでいる。
2016年度に国内各地の動物愛護センターへ持ち込まれた犬猫は11万3799頭に上り、殺処分された約5万6000頭のうち8割を猫が占める。和歌山では2474頭持ち込まれ、殺処分が2144頭と、その割合は全国で最も高い。
不幸な動物を増やさないよう活動する同協会は今回、猫の駅長の力を借りて殺処分ゼロを目指そうと同電鐵にラッピング電車を提案。かわいらしい犬や猫のイラストをあしらった電車を3年間走らせることになった。外装は「守ろう!小さな命」とのメッセージとイラスト、車内は「たくさんの愛情で最後までお世話してね」「飼えないなら増やさないでね」といった動物たちの〝声〟をポスターで届ける。
同社の松原道寛鉄道部長は「活動の力になれて光栄。かわいいデザインで子どもにも親しんでもらえます」。デザインを手がけたボン社(東京)の鈴木知枝社長は「楽しい雰囲気の中、飼い主に必要な10の条件や責任を伝えるようデザインしました。動物たちの現状に関心を持ってもらいたい」とほほえんでいる。
写真=伊太祈曽駅のよんたま駅長も出発を祝った
(ニュース和歌山/2018年6月23日更新)