建築士ら見学会企画

 完成から50年以上経過した和歌山大学松下会館(和歌山市西高松)の価値を見直そうと、和歌山ヘリテージネットワーク協議会は7月1日(日)午後1時40分、同館で見学会&講演会「戦後モダニズム建築の魅力」を開く。同協議会は「建物の今後は明らかでないが、取り壊される可能性がある。建物の良さを再認識し、市民や行政で保存・活用できる道を探りたい」と語る。

 同館は旧和歌山市役所を設計し、関西の名手と呼ばれた建築家、渡辺節が手がけ、松下幸之助の寄付で1961年に建てられた。今年3月まで和大が生涯学習拠点として利用してきたが、4月以降は放送大学が利用するのみとなり、貸し館や定期的な市民向け講座は行われなくなった。

 同協議会は、文化的価値のある建物の保存と活用を図るため、和歌山県内の建築士や専門の研修を受けたヘリテージマネージャとサポーターでつくる。これまで湯浅にある古民家や加太の砲台跡を改修している。

 当日は京都工芸繊維大学助教で近代建築史、建築の保存が専門の笠原一人さんを招き、県建築士会の中西重裕さんと共に館内を見学。県立図書館へ移動し、笠原さんの講義と意見交換を行う。

 無料。申し込み不要。県建築士会(073・423・2562)。

写真=かつて学生でにぎわった松下会館

(ニュース和歌山/2018年6月30日更新)