10年間不登校を経験し、高校3年で起業した和歌山大学生の小幡和輝さん(24)が7月20日、『学校は行かなくてもいい』を健康ジャーナル社から出版した。不登校に苦しむ若者や、周りの大人に向け執筆。「不登校に関する本はたくさんありますが、その多くが立ち直るための方法や事例を示した本。2学期の初日は子どもの自殺が増える。つらい思いを抱えている子に『不登校でも大丈夫だよ』と伝えたい」と力を込める。
和歌山大学生 小幡和輝さん 経験まとめ出版
小中学校はほとんど通わなかった小幡さん。定時制高校時代、友人との出会いをきっかけに学校外で居場所を見つけ、高3の時に会社を立ち上げた。地域活性化や地方創生に向けたイベント、各地の学校で不登校に関する講演会を開き、内閣府の地域活性化伝道師に最年少で登録された。
昨年、『不登校から高校生社長へ』を自費出版したところ、現場の教員から「教師が立場上言えないことを代弁してくれた」と反響があり、今回、出版社から声がかかった。3章に分け、各章の冒頭に不登校の時に感じたこと、起業までの過程を漫画で紹介。学校の役割、不登校の捉え方、趣味や特技の大切さなどを説き、講演会や地域活動で出会った14人の不登校経験談も載せた。
小幡さんは「例えば、将棋の藤井聡太七段が高校へ進学する際、『行かなくても良いのでは』との声がありました。けれど、それ以外の不登校の子はそうは見られない。社会で生きていくための特技や趣味があれば、見え方が違ってくるんです」と強調。8月19日(日)には、全国100ヵ所でイベント「#不登校は不幸じゃない」を計画しており、「今、勉強は家でできるし、仲間はインターネットを通じ地域でつくれる。学校へ行かないという選択肢がもっと認められるようになれば」。
A5変形判、152㌻。1296円。出版記念トーク&サイン会がきょう28日(土)午後2時、和歌山市広瀬中ノ丁の宮脇書店和歌山店で開かれる。参加には同書の購入が必要。同店(073・422・2151)。
また、同作の感想文を募集中。1000文字程度の文章、学校名、学年、郵便番号、住所を8月15日までにメール(kazuki@nagomiobata.com)。小学生~大学院生対象。最優秀賞に3万円分、優秀賞に2000円分の図書カードを贈る。
(ニュース和歌山/2018年7月28日更新)