市街地での水辺観光の可能性を探ろうと、わかやま水辺プロジェクトが7月30日、旅行業者らを対象にモニタークルーズを行った。紀州徳川家ゆかりの地をボートで巡り、夜は船上で食事をした。同プロジェクトの吉川誠人さんは「水しぶきと風が心地よく、非日常な時間が味わえると評判が良かった。観光利用への手応えを感じました」と胸を張っていた。
水辺プロジェクト 事業者向けツアー
街中を流れる内川を生かし、まちづくりを進める同プロジェクト。川辺でのライブや映画上映会、活用法を話し合うシンポジウムなどを市と協働で開き、水辺の楽しみ方を提案している。
30日は、和歌山市駅前の伝法橋から京橋駐車場前までボートで移動し(写真)、歩いて和歌山城を見学。さらに京橋駐車場前から養翠園までボートで行き、紀州東照宮や妹背山を観光した。船上では語り部が、江戸時代に米や野菜の荷揚げ場として栄えた納屋河岸や、徳川治宝(はるとみ)が船で来遊した養翠園前の大浦湾など当時の水辺をガイドに盛り込んだ。市語り部クラブの岩田健作さんは「船は景色が次々と移り変わるのがおもしろい。川岸に花壇やカフェがあればもっと雰囲気が良くなる」と期待する。
参加した近畿日本ツーリスト和歌山支店の中山航さんは「車では見えなかった地元の新たな一面を知れた。県外だけでなく、県内の人にも需要がある」と話していた。
夜は市堀川のイルミネーションを眺めながら、県産素材の弁当を堪能。JR西日本和歌山支社の小谷典史さんは「エンジンを止めて漂うとひっそりと静かで、夜の水辺も趣があった」と感動していた。
今回のモニタークルーズを参考に、同プロジェクトは10月20日(土)、一般対象に市堀川でクルーズを実施する。
(ニュース和歌山/2018年8月18日更新)