南海加太線東松江駅と紀ノ川駅の間にある踏切横の畑にひょうたん雑貨が並び、道行く人の注目を集めている。和歌山市狐島の橋本勝さん(70)が育てたひょうたんを小物に加工し、屋台で無人販売。「財布に付けている人や玄関先に飾ってくれているのを見かけるとうれしい。持ち去られることもありません」と声を弾ませる。
狐島の橋本勝さん 手作り品販売
野鳥を木彫りするバードカービングに15年前から打ち込む橋本さん。育てた植物で雑貨を作ろうと、5年前にひょうたん細工を始めた。バードカービングの仲間に配り好評だったため、今年4月に屋台を設置した。
春に種をまき、初夏に青々と実るひょうたんを収穫。水に1週間浸して腐らせた後、中身を水で丁寧に洗い流し、再び水に浸し乾燥させるといった手間のかかる下準備をした後、ランプや置物、ストラップに加工する。手先の器用さを生かし、桃太郎や干支の動物をくり抜いたり、空けた穴にビーズをはめてランプにしたりと、大小様々な作品を手掛けてきた。
売るのは100〜500円の手乗りサイズが中心。屋台に置いたメッセージボックスには、「かわいいので2回目です」「こんなものは作れますか?」と客から温かい声やリクエスト、時には中国語で書かれたお礼の手紙が届いたこともある。
毎月約60個、1日平均2、3個売れ、8月2日に完売した。現在は今夏収穫したひょうたんを使った新作が早速並んでいる。「ひとつとして同じ形がないのが面白いところです。買うより作る方が楽しいので、いつかみんなでできたら」とにっこり。
愛用する近所の中島由博さん(59)は「縁起がいいとされるひょうたんを持っているといいことがありそう。細かな工程を知っているので大切にしています」と喜んでいる。
(ニュース和歌山/2018年8月22日更新)