元アシスタント大瀬克幸さん 原画寄贈記念
『サイボーグ009』や仮面ライダーシリーズの作者、石ノ森章太郎のチーフアシスタントを務めた紀美野町の大瀬克幸さん(70)が7月、宮城県石巻市の石ノ森萬画館でトークイベントに出演した。大瀬さんが所蔵していた原画などを寄贈した記念で、大瀬さんは「東日本大震災からの復興の後押しになればと贈りました。50年も前のことですが、話しているとついこの間のことのように思い出され、ファンの人たちと振り返ることができました」と喜んでいた。
大瀬さんは福岡の高校を卒業後、石ノ森の元で約1年間勤めた。退職する際に石ノ森から原画や、赤塚不二夫ら著名漫画家が参加した同人誌『墨汁一滴』の第4巻などを譲り受けていた。数年前、押し入れから約半世紀ぶりにこれらを見つけ、同館へ寄贈した。
トークイベントは、石ノ森生誕80周年と寄贈を記念して開催。東北、関東からファン約50人が集まった。大瀬さんは、部屋を掃除した際、処分するように言われた資料の中に『墨汁一滴』があったことを紹介。当時のスケジュール表を示し、ほぼ休みなく働き、睡眠時間が3時間しかなかった過酷な日々にふれた。
今回寄贈した原画や『墨汁一滴』は11月中旬まで同館で展示。同館の木村仁さんは「月に600枚以上の原稿を描いたと言われますが、大瀬さんの話を聞いて納得できた。改めて石ノ森先生のすごさや漫画に対する情熱を感じました」と語っていた。
写真=思い出話を披露する大瀬さん(右)
(ニュース和歌山/2018年8月25日更新)