紀州藩士で、藩政改革に尽力した津田出(いずる。1832~1905)の関係史料が8月17日、和歌山市湊本町の市立博物館に寄贈された。紀の川市の大西勝さん(写真左)が所蔵していたもので、「幕末・明治期の和歌山を代表する人物である津田は、西郷隆盛が称賛した逸材ながら知名度が低い。これを機に知ってもらえれば」と期待している。
古美術商の大西さんが、和歌山市内の個人が所有していたものを鑑定、買い取った中から見つけた。寄贈したのは紀州藩最後の藩主、徳川茂承(もちつぐ)を称えた漢書「詠徳川中納言」、津田の弟で初代県知事の正臣が県内の名所について書いた漢書「詩書屏風」など41件92点。
同館の佐藤顕学芸員は「自筆の書はとても貴重。これだけまとまった数が見つかるのは驚きです。今後の津田研究に役立てたい」と意気込む。
寄贈物は11月に同館で展示する予定。
(ニュース和歌山/2018年9月8日更新)