認知症の人が生きがいを感じられる機会をと、和歌山市四番丁の和歌山県認知症支援協会が当事者とともにハーブの加工を始めている。交流の場として開く「ももカフェ」で味わえる。林千惠子代表は「本人が自分の意志で動き、自由にふるまえる環境を提供したい」とほほ笑む。
支援協会 ハーブの加工販売
当事者やその家族で語り合うぴあサロンを開くほか、電話相談や認知症見守り支援員の派遣を行う同協会。ハーブの加工は、できることがたくさんあるにもかかわらず、周囲から「認知症だから何もしなくていい」と言われ、行き場を失っている軽度の人や若年性認知症の人が多いと感じ、思い立った。
同市で自然栽培されたハーブをスタッフと選別、洗浄して乾燥させ、ハーブティーや料理に使える乾燥ハーブに加工し、袋に詰める。レモンバームやフェンネル、どくだみやびわの葉と種類は豊富。7月から会議室を平日昼間に開放して設けたカフェで販売している。林さんは「『することがあり、張り合いを感じる』『あてにされてうれしい』と言ってくれる。当事者同士、できないことを補い合いながら会話が生まれる場にもなっています」。
カフェは月〜金曜午前10時〜午後3時。会員以外は1回300円で自由に飲める。また、ぴあサロンを9月15日(土)と10月21日(日)午前10時、同協会で開催。21日は若年性認知症者の交流会も。無料。同協会(073・460・1456)。
写真上=「さわやかな香りに癒やされて」とスタッフ
(ニュース和歌山/2018年9月12日更新)