大病を乗り越え、伊勢市のおかげ横丁で人力車を引く和歌山市出身の女性がいる。「人力車にじいろ」の北原美希さんが9月30日(日)と10月13日(土)、14日(日)、和歌山城天守閣再建60周年を記念し、城内で人力車を走らせる。「和歌山で人力車に乗るのはめったにない機会。フワフワと雲の上にいるような感覚を味わって」と瞳を輝かせている。

おかげ横丁で活躍の北原さん

 2013年に一人娘と奈良へ移り住み、車夫デビューした北原さん。直後に脳こうそくと心臓の疾患に見舞われ、一時は車夫の道を断念した。地元で徐々に体調を取り戻し、人力車を借りてイベントに出向いたり、娘の小学校で出前授業を行ったりと少しずつ再開。一昨年に伊勢市へ移住し車夫になり、今年9月に念願の独立を果たした。

 今回は和歌山市から依頼を受けて実現。岡口門〜二の丸間を30分間隔で運行する。「独立したばかりで、地元の和歌山城で走れるのはご縁。写真も撮って楽しんでもらいたい。七五三の方は記念になりますよ」と笑顔で話している。

 午前10時〜午後4時半。無料だが、和装の人に限る(観光案内所で有料貸し出しあり。073・435・1185)。1回2人まで。申し込みは和歌山城天守閣再建60周年記念HPから。

写真=9月に独立を果たした北原さん(左)がご案内

(ニュース和歌山/2018年9月22日更新)