必要な場所に簡単に取り付けられる介護予防商品「ちょこっと手すり」を、和歌山市西浜の電器店ナルデンが企画し、9月1日に販売を始めた。50年近く、近隣住民と歩んできた同店が高齢化する地域に向けて考案。成瀨恵伊子さんは「長年お世話になってきた人たちへの恩返しのつもりで作りました。転倒で要介護にならないよう役立ててほしい」と望んでいる。

 1971年に開店したナルデン。家電の販売や修理、電球の交換など小さな困りごとに対応してきた。ここ20年は、福祉用具の貸与や住民が集まるコミュニティ「つどいの家」に取り組み、今年7月からは介護予防運動の教室を開く。

 納品の際、机の角やカーテンをまとめる際に使うフックをつかんで立ち上がる客を度々目にした。廊下や階段に付ける大がかりな手すりはあるが、洗面所や寝室、勝手口などでちょっと支えがほしいところに設置する手すりがないことに気づいた。数年前まで小さな手すりは市販されていたものの、廃版になっていたため、福祉用具メーカーに相談し商品化した。

 太さ直径32㍉、長さ15㌢の棒を、壁の内側にある芯材があるところにネジで固定。縦と横の2種類あり、80㌔の重さまで耐えられる。成瀨さんは「和歌山の街の電器屋から世界へ、寝たきりのお年寄りを減らす商品を届けたい」と描いている。

 1814円。同店(073・444・5181)。

写真=場所を選ばず取り付け可能な手すり

(ニュース和歌山/2018年9月22日更新)